HDDとSSDの違いとそれぞれのメリットを解説

パソコンのデータを保存しておくための部品「ストレージ」には、

  • HDD(Hard Disk Drive)
  • SSD(Solid State Drive)
  • eMMC(embedded Multi Media Card)

など、いくつかの種類があります。

その中でも、HDD と SSD は、大容量のストレージとしてパソコンに使われることが多いです。この記事では、HDD と SSD の違い・それぞれのメリットについて解説します。

目次

1.ストレージとは

HDD も SSD も、「ストレージ」と呼ばれる部品の種類の 1 つです。

ストレージとは

ストレージは、「パソコンのデータを保存しておくための部品」のことです。「補助記憶装置」とも言います(なぜ補助なのかは後述します)。

ストレージは、

  • ワードやエクセルなどで作った文書
  • デジタルカメラから取り込んだ画像や動画
  • インターネットからダウンロードしたソフト

といったデータを、パソコンの電源を切ってもなくならないように保存します。

この「パソコンの電源を切ってもなくならないように」という部分が重要です。パソコンの電源を切ったら、せっかく作った文書がなくなってしまっては悲しいですよね。

そうならないために、データを記憶しておく部品がストレージなのです。

なぜ「補助記憶装置」なのか

ストレージは「記憶」しておくための部品なのに、なぜ「補助記憶装置」と呼ぶのでしょうか。それは、ストレージの他にも「記憶」しておくための部品があるからです。

その部品が「メモリ」です。メモリは、「主記憶装置」とも言います。

「メモリ(主記憶装置)」と「ストレージ(補助記憶装置)」のどちらにも「記憶装置」がついていますが、メモリとストレージはまったく違った働きをします。

名称働きパソコンの電源を切ると
メモリ(主記憶装置)データを一時的に記憶しておくデータは消える
ストレージ(補助記憶装置)データを保存しておくデータは消えない

メモリは、実行中のソフトウェアや編集中のデータを一時的に記憶しています。一方、ストレージは文書や画像などのデータを保存します。メモリとストレージは、似て非なるものなのです。

2.HDD とは

HDD は、「Hard Disk Drive(ハードディスクドライブ)」の略で、「エイチディーディー」「ハードディスク」などと呼びます。

HDD の仕組み

「Disk」と名前にあるように、円盤(プラッター・磁気ディスク)が特徴的です。この円盤を回転させ、「磁気ヘッド」という部品を近づけて「磁気」でデータを記録していきます。これは、(今はあまり見なくなりましたが)レコードに似ていると言えるでしょう。

ただ、レコードと違い、この円盤と「磁気ヘッド」は接触していません。円盤は高速で回転しているので、もし接触してしまうと傷だらけになってしまいます。そうなると、その部分に保存していたデータを取り出すことはできません。

3.HDD のメリット

SSD よりも大容量である(容量あたりの値段が安い)

HDD に使用されている円盤は、何枚も重ねることができます。そのため、1 つの HDD で「4TB」や「10TB」というような大容量のもの比較的安く販売されています。

逆に、SSD は大容量のものが少ないです。「1TB」の SSD でも 1 ~ 2 万円もしてしまいます(2020 年現在)。「4TB」以上の製品はほとんどありません。

ですから、なるべく安く大容量のパソコンがほしいときは、HDD 搭載のパソコンを探すと良いでしょう。また、高画質な画像・動画を大量に保存したいときには、HDD が活躍します。

データが復旧できる可能性が高い

万が一ストレージが壊れてしまった時、HDD であれば(業者に依頼することで)データを復旧できる可能性が高いです。しかし、SSD のデータは復旧することが不可能な場合があります。

そのため、バックアップ用のストレージには「外付け HDD」が使われることが多いです。

4.SSD とは

SSD は、「Solid State Drive(ソリッド ステート ドライブ)」の略で、「エスエスディー」などと呼びます。

SSD の仕組み

SSD には、HDD のような円盤はありません。SSD は「フラッシュメモリ」で構成されています。これは、USB メモリや SD カードと同じです。

フラッシュメモリは「セル」と呼ばれるものが大量に集まってできています。そのセル 1 つ 1 つに電子が溜まっているか溜まっていないかでデータを保存していく仕組みになっています。

フラッシュメモリの構造は、かなり難しい話になります。私もあまり理解していないので、詳しく知りたい方は次の記事を見てください。

参考:フラッシュメモリとは?(Logitec 社のページに飛びます)

5.SSD のメリット

HDD よりも速い

HDD は、円盤・磁気ヘッドを動かして目的のデータを探し、読み込みます。そのため、目的のデータがある場所に達するまでに時間がかかることがあります。

ですが、SSD にはこのような待ち時間がありません。そのため、SSD を使う(正確には OS を SSD に入れておく)ことで、パソコンの起動時間を速くすることができます。

消費電力が少ない

HDD は円盤を高速回転させる必要があるため、消費電力が比較的大きいです。SSD にはその必要がないため、消費電力を抑えることができます。

ですが、HDD の消費電力がとても多いというわけではないので、それほど気にしなくても大丈夫です。

発熱が少ない

HDD はモーターを回しているため、熱が発生します。そのため、ノートパソコンのような熱がこもりやすいパソコンだと、パソコンが熱くなる可能性があります。

SSD にはモーターがついていないので、発熱はほとんどありません。

音がほとんどしない

HDD を使っていると、モーターの回転音や、HDD から出た熱を逃がすための冷却ファンの音がします。このような音を「うるさい」と感じることがあるかもしれません。

一方、SSD から音が出ることはほとんどありません。

HDD よりも小型である

SSD は、HDD よりも小型で軽いものが多いです。そのため、コンパクトなパソコンを自作したい方には向いているかもしれません。

衝撃に強い

HDD は、高速で回転している円盤と磁気ヘッドの隙間が極めて狭い(数ナノメートル)です。そのため、動作中に衝撃を受けると、円盤と磁気ヘッドがぶつかってしまいます。

このようにして傷がついてしまうと、その部分からデータを読み出すことは不可能です。ですから、HDD に衝撃は厳禁なのです。

しかし、SSD であれば、小さな衝撃には耐えられるでしょう。(実際に衝撃を加えるのはおすすめできませんが……)

6.HDD と SSD の寿命

「HDD と SSD、どちらがより寿命が長いのか」が気になる方もいるかもしれません。ですが、私は「わからない」と答えるほかはないです。

HDD は円盤が高速回転しているので、すぐ近くにある「磁気ヘッド」が劣化して円盤に傷がついてしまうと、HDD は壊れます。一方、SSD は「セル」に寿命があるため、何度も書き換えをしていると SSD は壊れます。

使い方によって HDD/SSD への負荷は違ってきますし、初期状態にもよるでしょう。どちらが長持ちするかは一概には言えません

まとめ:適切に使い分けよう

近年、パソコンのストレージは HDD 中心から SSD 中心へと移り変わってきています。ただ、SSD の方がメリットが多いように見えますが、いまだに SSD の方が HDD に比べて値段が高いため、HDD もまだまだ現役です。HDD・SSD にはそれぞれに長所・短所があるため、これらを使い分けることが重要です。

予算や目的に応じて、

  • HDD 搭載のパソコン
  • SSD 搭載のパソコン
  • HDD と SSD 両方が搭載されているパソコン

を適切に選ぶと良いでしょう。

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fiore

自称C++er。

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