タッチタイピング(ブラインドタッチ)を最短で習得するための練習方法

この記事では、タッチタイピング(別名:ブラインドタッチ)を(なるべく)最短で身につける方法を紹介します。

最短で身につけるためには、多くのことを習得している暇はありません。ですから、ここでは「英語(アルファベット)」や「数字」、「記号」などを後回しにして、最も使う機会が多いであろう「日本語」のタッチタイピングのみに絞って習得する方法を解説します。

タッチタイピングを練習する上で知っておいてほしいこと

タッチタイピングとは

タッチタイピング(ブラインドタッチ)は、手元を見ずにタイピングすることです。「タッチタイピング」と「ブラインドタッチ」は全く同じ意味ですが、「『ブラインド』が『盲目』を意味するため、差別用語である」という批判があり、近年は「タッチタイピング」と呼ぶことが多い気がします。

また、タッチタイピングのことを「タッチ・メソッド」と呼ぶこともあります。この場合、反対に手元を見てタイピングすることを「サイト・メソッド」と呼びます。

なぜ「日本語」のタッチタイピングを練習するのか

この記事では、タッチタイピングの中でも「日本語」のタッチタイピングを身につけるための方法を紹介しています。

なぜ「日本語」を強調しているのかといえば、

  • 日本語
  • 英語(アルファベット)
  • 数字
  • 記号

これらのタッチタイピングができるということは、すべて別だからです。

「日本語のタッチタイピングができても英語はできない」という人もいますし、「日本語・英語・数字はできても、記号はからっきしだめ」という人もいます。そのため、これらすべてを身に着けたければ、それぞれを練習しなければならないのです。

ここで、「日本語をローマ字で入力するなら、日本語も英語も同じじゃないの?」と思う方がいるかもしれません。しかし、日本語のタイピングと英語のタイピングは、かなり異なります。

例えば、英単語には「dis~」「co~」や「~tion」「~ly」など、「よく出てくるアルファベットの並び」があります。しかし、このようなアルファベットの並びは、日本語には殆ど出てきません(例えば、英語で「~tion」はよくありますが、日本語で「ちおん」はめったに見ないと思います)。

「:(コロン)」や「’(シングルクォーテーション)」といった記号も、英文ではたびたび登場しますが、日本語の文ではあまり登場しません。

結局、日本語・英語両方を入力できるようになるためには、それぞれ別に練習しなければならないのです。

練習するのは「ローマ字入力」がおすすめ

ローマ字入力とは、キーボードの上面に書かれているアルファベットで日本語を入力する方法です。

「S」→「A」と押すと、「さ」と入力される

反対に、キーボードの上面に書かれているかなで日本語を入力する方法を、かな入力といいます。

「ち」キーを押すと、「ち」と入力される

どちらの入力方法を練習しても良いのですが、初めてタッチタイピングを練習するのであれば、ローマ字入力をおすすめします。最短で身につけたいのであれば、ローマ字入力一択と言って良いでしょう。

なぜならば、ローマ字入力は

  • 覚えなければならないキーの数が少ない
  • かな入力よりも広く使われており、困ったときに周囲の人に聞きやすい

からです。

詳しく知りたい方は、次の記事をご覧ください。

関連記事:タイピング初心者にはかな入力よりもローマ字入力をおすすめする理由

この記事では、ローマ字入力についてのみ扱います。

具体的な練習の流れ

1.ホームポジションに指を置く

ホームポジション

タッチタイピングで、はじめに指を置いておく場所。

ホームポジションは、いわゆる「構え」のポジションです。

  1. ホームポジションに指をおいておく(構え)
  2. ホームポジション(構えの場所)から指を動かし、キーを打つ
  3. 打ち終わったら、ホームポジション(構えの場所)に戻る

という流れを繰り返し、文字を入力していきます。

具体的には、下の画像の黄色の部分です。

ホームポジションの場所

キーボードの表面を、よく見てみてください。FキーJキーには、小さな突起がついていると思います。この突起がついているキーに、左手と右手の人差し指を置きます。

そのほかの指は下の表のように置いてください。

左手小指

薬指

中指

人差し指

人差し指

中指

薬指

右手小指

A

S

D

F

G

H

J

K

L

また、親指はスペースキーに乗せましょう。手首は下に付けても、浮かしていても大丈夫ですが、付けたほうが楽だと思います。

このホームポジションに指を置いた状態が、タッチタイピングの基本となる体勢です。

ホームポジションの場所を確認できたら、1度キーボードから手を離し、目をつむってホームポジションに手を置いてみてください。目をつむった状態でも、FキーとJキーにある突起を指で探せば、ホームポジションが見つかるはずです。

どんなにキーボードを見たくなったとしても、絶対に目を開けてはいけません。目を開けてしまった場合は、もう1度キーボードから手を離し、目をつむってもう1回挑戦しましょう。

慣れれば、自然とホームポジションに指をおけるようになるはずです。

目をつむった状態でホームポジションに手をおけるようになったら、今度は目を開けてホームポジションに指を置いてみましょう。もちろん、キーボードを見てはいけません。パソコンのディスプレイを見ながら、ホームポジションに指を置いてみてください。

目を開けた状態でも、キーボードを見ずに指を置けるようになったら、次のステップに進みましょう。

補足

ホームポジションは、「この場所でなければならない」というわけではなく、自由です。「こっちのほうが打ちやすい」と思えば、その場所を自分のホームポジションにしても構いません。

しかし、右も左も分からないうちは、どの場所が良いのかさっぱり分からないと思います。ですから、とりあえずここで紹介したホームポジションを使ってみてください。タッチタイピングに慣れてきてもなお、違和感を感じるのであれば、改めて自分のホームポジションを考えれば良いと思います。

結局何が言いたいのかといえば、「深く考えずにとりあえず練習してみろ」ということです。

2.母音(あいうえお)を決まった指で打つ練習する

基本は「あいうえお」

日本語(ローマ字)は、「ん」を除いて、子音と母音の組み合わせでできています(「あいうえお」には子音がありませんが)。

「か(KA)」は子音「K」と母音「A」の組み合わせ

必然的に、日本語の文章には、母音(A,I,U,E,O)が大量に登場します。そのため、まずは母音を打つ練習をするのが効果的です。

練習方法は至ってシンプルで、「メモ帳」などのテキストエディタに

あいうえおあいうえおあいうえお……

と入力するだけです。

ここでのポイントは、「タッチタイピングの練習で気をつけるべきポイント7つ」に書かれているので、読んでください。タッチタイピングを身につける上で重要なポイントが書かれているので、絶対に読んでください

ここからは、上の記事を読んだ前提で話を進めます。

この段階で特に重要なのが、「ホームポジションを守り、決まった指で打つ」ということと、「絶対に手元を見ない」ということです。

ホームポジションを守り、決まった指で打つ

先程の記事の「4.キーの場所は指の動かし方で覚える」にもある通り、タッチタイピングは「指の動かし方」で覚えるものです。ですから、決まった指で打たなければ、その文字の入力方法があやふやになってしまいます。

基本的には運指表に従って、

  • A:左手小指
  • I:右手中指
  • U:右手人差し指
  • E:左手中指
  • O:右手薬指

を使いましょう。ただ、もし「この指のほうが打ちやすい」と思うのであれば、標準運指に従わなくても構いません。大事なのは、「どの指で入力するのかを決める(統一する)」ということです。

補足

本当は、1つのキーを複数の指が担当しても問題ありません。しかし、その場合は「どのようなケースでどの指を使うか」を明確にしなければなりません。例えば「基本的にUは人差し指」「直前に右手人差し指でYを入力したとき、Uは中指」といった感じです。

これは、自分が最も速く入力できる運指を使う「最適化」と呼ばれる技術で、上級者向けの技術です。かなり難しいので、はじめのうちは「1つのキーには1つの指」を心がけましょう。

絶対に手元を見ない

タッチタイピングの練習をしているときに手元を見ていると、いつまでたってもタッチタイピングはできるようになりません。「絶対に手元を見ない。見てしまったら一度文字を消し、手元を見ずにもう一回打ち直す」くらいに考えましょう。

誰でもはじめのうちは、打ち間違いを連発します。ですから、気にせずに間違えまくりましょう。間違えながら、徐々に入力できるようになれば良いのです。

慣れてきたら

慣れてきたら、

おえういあおえいうあおえういあ あうおいえあうおいえあうおいえ いおうあえいおうあえいおうあえ

など、様々なパターンで入力してみましょう。

この練習は、突然「あ!」「う!」などと言われたときに、すぐに指が動くくらい身につくまで、徹底的にやります。「決まった指で」「手元を見ずに」入力できているか確認しながら、練習を繰り返しましょう。

練習成果の確認

「あいうえお」が自信を持って打てるようになったら、

愛 会う 青 言う 家 上 エイ 甥 青い 居合 硫黄 多い

といった単語を入力してみましょう。ここまで来た方であれば、手元を見ずに入力できているはずです。

これで、「タッチタイピングができている」という感覚を味わうことができます。

「あいうえお」しか使わない単語なので当たり前かもしれませんが、単語をタッチタイピングできているというのは、大きな進歩だと思いませんか? いままでキーボードを見て打っていたのに、キーボードを見ずに単語を打てるようになったのですから。

これは十分自慢できることです。自分を褒めてあげましょう。

タッチタイピングの習得には、モチベーションが欠かせないので、「タッチタイピングができている」という自信を感じることは大切です。

※もしスムーズに入力できなかったとしても、落ち込まないでください。入力スピードは、慣れによるものが大きいため、練習を続けるうちに自然と上がっていきます。ですから、「キーボードを見ずに単語が入力できた」のであれば、次のステップに進みましょう。

3.子音字を1つづつ覚えていく

「あいうえお」が打てるようになったら、あとは子音字を覚えるだけで日本語を打てるようになります。

ここでは、下の14個を覚える必要があります。

か行

K(右手中指)

が行

G(左手人差し指)

さ行

S(左手薬指)

ざ行

Z(左手小指)

た行

T(左手人差し指)

だ行

D(左手中指)

な行

N(右手人差し指)

ば行

B(左手人差し指)

は行

H(右手人差し指)

ぱ行

P(右手小指)

ま行

M(右手人差し指)

や行

Y(右手人差し指)

ら行

R(左手人差し指)

わ行

W(左手薬指)

これらを一気に覚えようとすると、頭がパンクしてしまうので、1つ1つ覚えていきましょう。1日1~2個の子音字を覚えていけば良いと思います。

ここでのポイントも、先ほどと同じです。忘れてしまった方は、「タッチタイピングの練習で気をつけるべきポイント7つ」を見返してみてください。

最初はKです。

かきくけこかきくけこかきくけこ こけくきかこけくきかこけくきか 柿 書く 過去 幾何 聞く 茎 九九 苔 ここ

のように練習していきます。

それができるようになったら、

あいうえおかきくけこ こけくきかおえういあ 赤 秋 イカ 行く 池 羽化 雨季 浮く 駅 エコ 丘 沖 奥 桶 貝 買う 顔 帰依 杭 クエ 稀有 コア 恋 乞う 声 赤い 絵描き 大きい 会計 警戒 公開

のように、以前に習得した文字と一緒に使ってみましょう。(単語は適当です)

この練習をS,T,……と1つずつ増やしていき、最終的には上に示した14個の子音をすべて入力できるようにしましょう。

覚えるキーが増えてくると、以前に覚えたはずのキーを忘れてしまうことがよくあります。しかし、一度の練習で完璧に習得できる人はいないので、気にする必要はありません。忘れてしまったキーがあったら、その都度復習して、打てる文字を増やしていきましょう。

4.撥音・促音・拗音・長音などの練習

ここまでくれば、日本語をタッチタイピングできるようになるまで、あと一歩です。

日本語には、撥音はつおん(ん)・促音そくおん(っ)・拗音ようおん(きゃ など)・長音(ー)などがあります。

日本語の文章を入力するためには、これらの入力方法も身につける必要があります。

「ん」の打ち方

「ん」を入力するためには、いくつかの方法があるのですが、はじめのうちは「NN」と入力する、と覚えておけばOKです。

「な行」を入力するときに使う「N」を2回押すだけですから、新しくキーの場所を覚える必要はありません。

「ん」の打ち方について詳しく知りたい方は、次の記事をご覧ください。

関連記事:ローマ字入力で「ん」を効率的にタイピングする方法

「っ」の打ち方

「っ」は、「次のローマ字を重ねて入力する」ことで入力することができます。

さき……SA KI さっき……SA KKI 「さ」の次の「っ」は、更に次の文字「き」の「K」を繰り返し入力することで、「さっき」と入力できます。

これも、新しくキーの場所を覚える必要はありません。

※「っ」を1文字だけ入力したいときは「XTU」または「LTU」と入力します。この入力方法はどちらかを覚えておけばOKです。余裕がなければ、覚えなくても構いません。

「ゃ」「ゅ」「ょ」の打ち方

「ゃ」「ゅ」「ょ」を入力するときには、前の文字の子音+やゆよで入力します。

きや……KI YA きゃ……K YA 「き」の子音「K」に、「YA(や)」をくっつけることで、「きゃ」と入力することができます。

「きゅ」「きょ」も同じように、子音+やゆよで入力できます。

  • KYA/KYU/KYO(きゃきゅきょ)
  • SYA/SYU/SYO(しゃしゅしょ)
  • TYA/TYU/TYO(ちゃちゅちょ)
  • NYA/NYU/NYO(にゃにゅにょ)
  • HYA/HYU/HYO(ひゃひゅひょ)
  • MYA/MYU/MYO(みゃみゅみょ)
  • RYA/RYU/RYO(りゃりゅりょ)
  • GYA/GYU/GYO(ぎゃぎゅぎょ)
  • JA/JU/JO(じゃじゅじょ):ZYA/ZYU/ZYOでも入力できますが、打鍵数が少ないJA/JU/JOを使うことをおすすめします
  • DYA/DYU/DYO(ぢゃぢゅぢょ)
  • BYA/BYU/BYO(びゃびゅびょ)
  • PYA/PYU/PYO(ぴゃぴゅぴょ)

きゃ

きゅ

きょ

KYA

KYU

KYO

これも、新しくキーの場所を覚える必要はありません。

「ー」の打ち方

鬼門です。「ー」は、キーボードの右上の方にあります。

運指表

このキーはホームポジションから遠く、タッチタイピングをするのがかなり難しいです。

「ー」が打ちづらいと感じる方は、次の記事をご覧ください。

関連記事:「ー」(伸ばし棒)を薬指・小指でタイピングするときのコツ

特殊なローマ字

ここで紹介する文字は、覚えていなくてもあまり問題ありません。余裕がなければ、無視しても大丈夫です。(太字は比較的よく使うもの)

  • ふぁ(FA)
  • ふぃ(FI)
  • ふぇ(FE)
  • ふぉ(FO)
  • てぃ(THI)
  • でぃ(DHI)
  • つぇ(TSE)
  • ゔぁ(VA)
  • ゔぃ(VI)
  • ゔ(VU)
  • ゔぇ(VE)
  • ゔぉ(VO)

タイピングゲームで仕上げ

ここまでくれば、日本語のタッチタイピングはほとんど身についています。あとは、繰り返し練習して、タッチタイピングに慣れるだけです。

普段の作業でも、パソコンで入力するときには絶対に手元を見ないということを心がければ、次第に慣れていくはずです。

それに加えて、タイピングゲームやタイピング練習サイトを活用すれば、さらにタッチタイピングを体に染み込ませることができます。また、練習を繰り返すことで、タイピングのスピードも上げることができます。

日本語のタッチタイピングがある程度できていれば、一般的なタイピングゲームを楽しめるようになるはずです。(タッチタイピングが身についていないと、全然打てなくて辛くなってしまうことがあります……)

私がおすすめするのは「タイプウェル」です。

ゲームというよりも、タイピング練習ソフトに近いですが、とても洗練されているソフトです。タイプウェルの詳しい説明は次の記事をご覧ください。

関連記事:初心者から上級者まで使えるタイピングソフト「タイプウェル」

まとめ

ここで紹介した方法であれば、1~2か月(早ければ2~3週間)で日本語のタッチタイピングを習得することができると思います。

タッチタイピングを習得したあとは、更に日本語タイピングを速くするのも楽しいですし、英語や数字、記号のタイピングに手を出すのも楽しいと思います。

また、ショートカットキーを覚えるなどして、バリバリ作業するのも良いでしょう。

ぜひタッチタイピングを身に着けて、素敵なタイピングライフを送りましょう。

※もし英語や数字のタッチタイピングもできるようになりたいのであれば、はじめからタイピング練習のサイトやソフトを利用することをおすすめします。

日本語のタッチタイピングを身につけることができたなら、あなたは「『ホームポジションを守る』といったタイピングを練習するときに気をつけるべきこと」が身についているはずです。そのような状態であれば、英語や数字のタッチタイピングも比較的簡単に身につけられると思います。

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fiore

自称C++er。

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